No.407 都会の中の憩いのひととき
2020年2月14日
二ヶ領用水(にかりょうようすい)は、関ケ原の戦いの3年前にあたる1597(慶長2)年から測量を開始し、その2年後から始めた開削を含め14年の歳月を経て、江戸時代となった1611(慶長16)年に完成しました。その後、改良が加えられながら、江戸、明治、大正から昭和の初期にかけて、市内では現在の多摩区から川崎区に至る地域で、大切な農業用水として利用されてきました。中原区では、区役所の向い側にある川崎市総合自治会館の裏手あたりから、その流れを見ることができます。
2月のある小春日和の昼下がり、用水の川面に憩う野鳥の姿を追ってみました。
二ヶ領用水の流れ
都会の喧騒を忘れる静かな空間「二ヶ領用水」、間もなく春には水面を覆う満開のソメイヨシノが楽しめます。
カルガモ 軽鴨 英名:Spot-billed Duck
微笑ましい親子の引っ越し行列がニュースにもなるお馴染みの水鳥ですね。全長60㎝ほどで、艶のある黒色に先端部の黄色が鮮やかなくちばしと、目元の二本の黒褐色線、橙色の足が特徴です。水面下で懸命に水かきをする姿は、愛らしくユーモラスです。
カルガモ(幼鳥)
カルガモの幼鳥でしょうか。成鳥(上の写真)と比べて一回り体が小さく、羽根の模様もまだはっきりしていません。顔も心なしか幼なさが残りますね。
ハクセキレイ 白鶺鴒 英名:White wagtail
夏にも紹介をしましたが、今回は冬の水辺に佇む姿を見付けました。全長20㎝程度で、白い顔にまるで黒髪をオールバックにしたような格好ですね。過眼線と呼ばれる目元を一筋に通る黒く細い線が特徴です。人懐こいところがあり、脅かさないようにじっとしていると、尾羽を上下に忙しそうに振りながら近寄って来てくれます。
ムクドリ 椋鳥 英名:White-cheeked Starling
小杉周辺でも一年を通して、いたるところで見ることができる鳥です。体長25㎝ほどで、灰色と黒の斑模様の顔が特徴のほか、黄色いくちばしと足がよく目立ちます。時に木の枝にとまり、熟した柿の実をついばんだり、草地や地面にひそむ虫を捕らえる姿を目にします。集団でねぐらを作る習性があり、冬のこの時期は数万羽の大群となることもあるようです。