No.223 「一大事と申すは・・・」~春の新たな旅立ちに贈る
2016年4月1日
すっかり春めいて来ました。
このブログが掲載される頃には、当マンション周辺の桜は満開に近いかもしれませんね。
私も気だけは若いつもりとは言え、この歳?になってくると、先人・賢人の理(ことわり)が
身に染みてくる今日この頃です。
これから志を持って社会に出よう、学校に入学し大いに勉学に勤しもうなど
新たな旅立ちの季節であるので、2つほど先人の戒め、または仏の教えというのでしょうか、
新人のみならず、我々も含め噛みしめたい「有難い」?お言葉を紹介いたします。
一つは京都市の「金地院」のもの。南禅寺の境内の一角に佇んでいます。臨済宗南禅寺の塔頭。
金地院と聞くと、ほとんどの方は「金地院崇伝」、が頭に浮かぶと思います。
浮かばない?知らん?・・・^_^; ぜひここで記憶しましょう。
徳川家康のブレーンであり、武家諸法度やキリスト教禁教などは彼の起草であった
と言われていますね。彼が金地院を京・北山から、南禅寺塔頭に移建しました。
天海僧正と共に、「黒衣の宰相」との異名があるほどの影響力を持っていました。
金地院の門の横に写真のような言葉があります。
「一大事と申すは、今日只今の心なり。其れを疎かにして翌日あることなし」(正受老人)
どうでしょうか、解釈・感じ方にはいろいろあると思いますが、
「今日この時を大切に生きる・・・、明日のことより今を大事にせよ」との戒め。
(・・・そうでなければ、良い明日など来るはずはない、ということでしょう)
もう一つは手前味噌で恐縮ですが、東京・麻布にある我が松下家菩提寺・長玄寺の
今月のお言葉。
こちらはもう少し現代文ですね。
「うぬぼれる者は、孤独になり、謙虚な者には善友が集まる」
これは古今東西を問わず、平易な真理でしょう。「当たり前」といってしまえばそれまでですが、
実際、自分はそうだろうか、と自問自答すると、「ムムム、これはイカン」となるかもしれません。
若い方は、若さと勢いと根拠のない自信?で走ってしまいがちで、年長者は実績に胡坐をかき、
謙虚さを失う。
教訓めいたことはともかく、新たな旅立ち、季節の変わり目に、共に「座右の銘」として心の片隅に
置いておくのも一興かな、と。